屋根のリフォーム工事 屋根カバー工法 ルーフィング
2022/06/08
屋根のリフォームでカバー工法を行う際に、「ルーフィングはいるの?」という質問を受けたことがあります。
リフォーム前の時点で雨漏りしていない屋根ならすでに下地材で敷いてあるので、必要ないと思うかもしれません。
実際には屋根というのは、屋根材自体に雨漏り防止機能があるわけではなく、屋根材の下に敷くルーフィングと呼ばれる防水シートを適切に施工することで雨漏りを防いでいます。
第三者機関によるルーフィング検査はあっても、屋根材が適切に施工されているかを検査する第三者機関はありません。屋根材がどのように施工されるかは職人の技術によっては様々かも知れませんが、ルーフィングだけは様々な施工方法があってはダメなんですね。
それほどルーフィングは重要な役割を果たしています。
このようなルーフィングですが、さすがに20年~25年も経つと経年劣化により破れたり防水機能を果たさなくなってきます。
ルーフィングの上に屋根材を施工する際、ビスを打ちます。当然ルーフィングを貫通して下地材にとまりますが、ルーフィングにはフェルト・ゴム・繊維素材のほかにアスファルトが含まれていて、ビスで貫通した穴を塞ぐシール性を持ちます。(一度打ったビスを抜いてできたバカ穴はNG)
カバー工法の際は既存の屋根材を貫通させて元々の屋根下地材にビスを止める訳ですが、その時既存のルーフィングも貫通します。経年劣化した状態のルーフィングなので、もうビスで貫通した穴を塞ぐシール性は残っていません。もし屋根材から漏水した場合には、本来ルーフィングを伝って軒先から出てくる水はビスによって新たに開いた穴から建物内部へと侵入し、「雨漏り」を引き起こす恐れがある という訳です。
以上のことから、「カバー工法でも既存の屋根材の上に新たにルーフィングを敷く」ことは必ずしなければなりません。
次回は「カバー工法の断熱効果」についてお話ししようと思います。